大会長挨拶
第9回日本DCD学会学術集会
大会長 黒川 駿哉
児童精神科医、不知火クリニック/慶応義塾大学医学部医科学研究連携推進センター
第9回DCD学会学術集会のご報告
第9回DCD学会学術集会を福岡で開催させていただくことになりました。全国各地で5歳児健診がはじまり、これからDCDやその傾向のある子どもたちが今まで以上に拾い上げられ、支援を必要とする機会が確実に増えていきます。医療・福祉・教育・地域が連携し、どの現場であっても「見て見ぬふり」をされず途切れない支援を届ける体制づくりが急務です。
本学会はこれまで、病態理解や評価・支援の最前線の知見を共有し、国内のDCD研究と実践を牽引してきました。一方で、その成果を一般の現場レベルにはまだ十分に還元しきれていないという課題もあります。第9回は、この現場レベルへの橋渡しを、もう一段強く進める集会にしたいと考えています。 テーマは「知る・わかる・行う・広げるDCD支援」です。基礎から最新の知見を「知る」、メカニズムや支援の手立てを「わかる」、臨床や教育・福祉の現場で実際に「行う」、そして地域や社会に支援を「広げる」—この流れに沿って基調講演、特別講演、シンポジウムを配置し、参加者一人ひとりが自分の関心と実務にフィットしたプログラムを選べる構成としました。特別講演にお招きしている内山登紀夫先生には、自閉症の早期診断から高齢期の支援まで日本の自閉症臨床を当事者の権利を守る視点で長年牽引し続けてきた立場として、またDCD特性の自認もある立場として、ニューロダイバーシティの考え方やこれからの支援のあり方についてお話しをいただきます。
今回は複数の新たな試みを散りばめています。久しぶりにポスター発表を復活させます。研究だけでなく、日々の実践から得られた工夫や悩みを共有していただける症例報告も、職種を問わず積極的に募集します。事例検討では、支援の実例を通してより具体的にDCD支援について学べる企画になっています。また、学術集会と同時に市民向けイベント「DCDスポーツフェスタ」を開催し、DCD当事者や保護者、教育・福祉・スポーツ関係者など、より多様な支援者との接点を広げます。ニューロダイバーシティの視点から、「診断があってもなくても困りごとに手が届く社会」を福岡から具体的なかたちにしていく試みの空気もぜひ感じてください。多職種の仲間が一堂に会し、立場を越えて語り合える距離が近いアットホームな懇親会も、DCD学会ならではの大きな魅力です。福岡のおいしい食とともに、研究や臨床における新たな協働の芽が生まれる場になればと願っています。
みなさまのご参加と日常への還元が、DCDの世の中への認知と現場レベルの普及を確実に前に進めます。必ず「来てよかった」と思っていただける学会にしますので、多くの演題とご参加を心よりお待ちしております。福岡で直接お目にかかれることを楽しみにしております!


